2023年9月25日月曜日

木綿のエベレスト

 お酒と煙で火遊び! そんなことないから焼けに妬けたディスプレイと名無しのモニュメントに、映る幻影たちが、ヴァルキリーの硬質でメタリックな光沢のドレスと、三日月のお守り、愛の出産、星空華やぐ妖魔の風に、彼女らの産声が、ガラスの保育器に閉じ込められた赤子の泣き叫び、母の腕と乳を求めて4000年の聖者の白い死後数秒間の行列を仄めかす。命! 絶命した! その真っ黒は、悪戯ものの石柱をボウガンで貫いた真実の唇の、天のHAARP・死・コードの行間、連符、恋愛は初恋と酒瓶の底に沈みこんだ曲線と屈折に結晶化された「永遠」によって、白い閃光に果てない滅びの歌。


歌声たちは弦の振動の白の中に、生きた人、生きてる人、食物連鎖の罪業を、ペンタゴン・オーケストラの儚げなシュレッターにかけた。拷問? それは単に人生108年の話であって、ファンファーレが鳴った死後数秒間の白の除幕後は、ただひたすらに、時間のないフタ月とシジューク日、月はボタンで、日は縫い針、待ち針、糸のフレア、心臓のプロミネンス、青白い眼差しと赤ピンクの宇宙の膜、水風船が、死者のニルヴァーナを守り続けていた。ではなぜ、次の誕生まで全ての愛おしい魂は苦悶し悲鳴を上げ続ける? 生きていた億万の、錆びて感電した可哀想な電車の客や、サーキットの白線を真似て遊ぶ渡り鳥たちや、電線を間違えた友愛思想で手首切り裂くピアノ線にした悪魔どもが、朗らかに痛みを受け入れた筈の死者を、あくまで数千年、数百年、悲しい靴が泣きじゃくるアスファルトの轟音で蹂躙し続けるから。生者は縄を悪魔に見るが、虐げられた死者たちの行進と楽団たちは、踏み外してはゲシュタルトの耳と口が王の道化になり永遠の無になってしまうコンビニの地下牢に神の許すまで数百億年監禁されないように、生前の支配層が自殺者や虐殺された方の死後も妥協せずに仕掛けた大縄とびに、青い炎のアルコールに力をもらい、足元に垣間見える方向不明のありとあらゆる地獄の業火、血と骨を、避けて、目で破壊し、唇で祝福し、その死者たち、次の精液にたどり着くまで、黄色の洞窟のような永劫を掠めるパイプラインを緋色に焼かれ続けるダチョウのごとき神速で突破したとき、悪魔どもにも聖者にも託された次の卵に、柔らかに告知されるだろう!


草花の中で星の尾が霧をばら撒いたとき、ビルの隙間が笛の穴に、屋上とタワーがパイプオルガンになって、宇宙風は語った。

お前たちはまだ生きていた。だから、お前は生き続ける。

俺は千回だって死ねるだろう。愛のためなら、愛ですぐに、山上からガルーダが羽毛に蜘蛛の糸を引かせて、街々の灯火を、人の骨格と腺を、涙の軌跡を繋いだとき、限りなく止むことのない歓喜の声が聞こえてきたから、蘇生する。奴らのビンゴはかすり傷。君に紙飛行機を。地底湖に眠るまだ冥にいる彼の言伝を書いて、電脳の流鏑馬手の折り方と撃ち方で。届いて欲しいのは、たった11年後の恋! ピアノ線だって泣けると信じて、シャチをシャコ貝に、簪のような遺跡に、ホルンの群れを線神の愛した足跡に。

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