2025年12月21日日曜日
未来データの音
2025年11月6日木曜日
鳩の祈り
空は巨大な葉で 階段で 切断され
家々の会話は太陽を見れなくなった
創られた罪の花火が夜まで出血させ
私は鳩になるしかなかった
降らない命の涙の代わりに
呪われた肺からあの時の酒と血を流そう
明日の劇場に新しい平和の柱が在れ!
2025年10月30日木曜日
300の恩寵
遠い未来の大天使 ガブリエイルの教え子が
割れた空から舞い降りて 乗っ取る眼球 600個
浮世の罪 渦の彼方 「彼」の笛
音を聴く 呪われた脳 300個
風に浮かんだ視界から 「天使」は全て儚んで
呪いを解いた 愛の火と 消えゆく命 神聖に
幾億の 羽の行列 鳥の骨
白光の 星の出血 死んだ空
そして「天使」は言った
「あなたたちの天は あるべくして一回死んだ」
2024年11月20日水曜日
灰色の箱庭
灰色の箱庭
逆さにつり下がった 銀色の
動かないロボット 壊れた脚
記憶は無いか どこかのサーバー
夜風は 空気と街々の起動を揺らして
幸せも 血も 光の破片も
星の神様の 意のままに 愛
メカニカルな網膜 目の奥の庭には
戦争と平和の軌跡の 灰色が
機械の愛となり 凍っていく
2024年11月6日水曜日
タンポポと死
タンポポが 拷問で死んでいった人の心になったとき
種は針ではなく 生の底にあった酒とネクタルの甘い雫が
死で氷になった冷たい優しさ
種が祈りさえ風に委ねて
家の壁 ファイヤーウォール クローゼットを
愛で貫通したら 貴方は微笑んでいたんだろうか
弓が文明に隠れた邪悪であったとしても
2024年2月18日日曜日
無機物
視界が鱗で満たされる 眼に映るもの全て
意味もなく憎い 光も鱗を清めない
脳内を蛆が這い回る 心に巡るもの全て
意味もなく憎い 光が核に届かない
心の影が悪寒を生んで 全身全霊 気持ち悪い
忌々しい幻覚の渦 頭蓋骨が 割れそうだ
地面に踊る鱗達 何もかもが生き物で
生臭くて湿っている 純粋な光が欲しい
光を浴びたものは 影を生み その影に呪われる
憎しみと恐怖で満たされて 心臓にヒルが蠢き回る
どうしようもなく苦しいから 私は無機質になりたい
鈴の漣 拒絶して 硝子のように冷ややかに
光線の綾 走らせて 私は無機物になりたい
人に砕かれ粉々になり 肌を切り裂き血を浴びて
飛沫の中で赤く染まり 綺麗な音を響かせて
光に抱かれて煌きながら 何も感じず物理的に
虹と共に消えて逝けたら なんて幸せなんでしょう
2023年9月25日月曜日
陽炎
太陽から火を盗んだ大きな鳥が
私に微笑んだその時から
心の真ん中で彼の秘密が
灯のように明滅した
彼は木々を脈に変えたし
風を刃に、水をガラスにして
森の一角を庭にしては
その芸術で動物たちを
楽しませ、笛を吹いていた
彼の飼う大きな鳥の歌が
私の琴線を震わす時には
ただ眠くなり目を閉じて
あの庭のことは忘れていた