人の心の大群が空高く、あのコンドルの形を作って上昇した。時は、雲の大きなトンネル、命の涙の水滴が銀河の星の数ほど集まった白く巨大なアーチ・フラワーとなって、コンドルの通り道になった。昼の飛行機雲の下では、声援、歌、マーチ、レース、無数の歩行と買い物が、命の群れを営んでいる。
時流にときめいたコンドルの胸は、それら営みのざわめきを宿して、次の時代に見えたり見えなかったりする雨を降らせるだろう。あの人はビルの屋上から霧のようなその雨と虹を見るだろうか。サピエンス・メモリーが、あの人の肋骨を通過しますように。翼の影は忙しい人の群れを遮った。時は止まりますように。大きな記憶が低空飛行する渡り鳥となって、彼らを吹き抜けますように。
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